読むたびに変化する。〜葉桜と魔笛〜8年越しの再会
いつもありがとうございます。京都の朗読家 おはなしの栞つじあけみです。
読むたびに、変化する。
『葉桜と魔笛』と、8年越しの再会
5月9日に開催する、朗読文学館 vol.2。
今回お届けする作品は、太宰治の葉桜と魔笛です。
この作品を久しぶりに練習しています。
昨日は、インターネットラジオ stand.fm の「おはなしの栞チャンネル 〜寝落ち朗読〜」で、この『葉桜と魔笛』をライブで朗読しました。
私は、本番前に、厚かましく「練習ライブ」をさせていただきます。
家で一人で練習していても、なかなか気持ちが乗りませんが、誰かが聞いてくださると思うと、声に心が込めやすくなりますよね。
以前は毎晩23時に配信していたこのラジオも、最近はやることに追われまくっていて、2週間に1回ほどのペースでしょうか。
それでも、何の予告もなく配信しても、いつものリスナーさんがふらりと入ってきてくださり、
それが、私にとって本当に嬉しく、大切な時間になっています。
昨日も朗読の後のアフタートークが、とても楽しい時間になりました。
その中で話していたこと・・・
それは、
8年前に読んだ『葉桜と魔笛』と、今の『葉桜と魔笛』は、まるで別人が読んでいるように違う
ということでした。
同じ作品でも、読むタイミングによって読み方って変わりますよね。
その時の自分が置かれている環境。
その時の心の状態。
その時までに出会ってきた人との時間。
そういったものすべてが、声にも、読み方にも表れ出るのはご承知のことと思います。
けれど、「読み方」だけでなく「解釈」まで大きく変わっていると言うことはそんなに多くないかも?しれません。
やはり同じ作品を人前で読む機会がないと気づけないことだと思いました。
8年前の私は、この姉妹のやりとりの中に、嫉妬やそねみのような心の揺れを感じていました。
だから、どこか少し冷たい呼びかけになっていたと思います。
共演者からも、解釈の違いを言及されましたが、その時は私の解釈を尊重してくださいました。今思うと、わがままだったなぁ・・・と思います。
また、その時は、この物語の中のお父さんの存在も、それほど大きくは受け止めていませんでした。
物語の最後に登場する「軍艦マーチの口笛」
あれは幻聴のような・・・まさに神の思し召しのような、不思議な響きとして受け止めていました。
けれど今は違います。
あの口笛は、お父さんが吹いたに違いない(そうとしか思えない)
厳格で、不器用で、でも深く娘たちを愛していたであろうお父さん。
直接うまく愛情を伝えられなかったその想いが、口笛になって届いたのではないか・・・
そう解釈される方が多いかと思いますが、私もそう思えるようになりました。
そして姉妹の間にも、嫉妬やそねみではなく、
互いを思いやる、深い愛情。若さゆえの切なさ。恥ずかしさ。
を細かく感じられるようになりました。
だから今の私は、前より優しく読むことができている?のではないか(そう信じたい)と思います。
どうして変わったのか・・・?
それはもちろんこの8年の間に、読み手の私自身が変わったから。
家族のこと。
皆さんとの出会い。
皆さんから聞かせていただいた朗読や身の上のお話。
日々の喜びや悲しみ。
そうした経験のひとつひとつが、私の心を少しずつ育ててくれたのだと思います。
朗読の面白さは、
声に出して、読んでみること。
そして、
読むたびに、変化すること。
私は、この変化は「心の成長」だと思っています。
自分の声を通して、自分の心の変化に気づく。
それは、朗読の魅力のひとつ。
朗読を通して、
心を育てること。
声を育てること。
そして、自分自身の人間性を深めていくこと。(私は人よりゆっくりですが・・・( ´∀`))
いくつになっても成長したいし、し続けたいですよね!
(身体はもう成長止まって欲しいですけど・・・)
そんな想いも込めて、5月9日の朗読文学館 vol.2では、『葉桜と魔笛』をお届けします。
今回は、お箏奏者の清水雅楽文さんとのコラボレーションです。
とっても素敵でパワフルで、もちろんお箏も素晴らしいです。

雅やかで繊細、そんなイメージだけではない、お腹の奥まで響くような重厚な音色。
そして、美しく心を包み込む柔らかな響きが、この物語の登場人物の感情の揺れをさらに深く彩ってくださいます。

きっと、朗読と音楽がひとつになる時間を味わっていただけると思います。
お席があと若干ございます。
もしご興味がありましたら、ぜひこの時間を味わいにいらしてください!
(お琴と一緒に、朗読体験コーナーも予定しています!)
声に出して、読んでみる。
読むたびに、変化する。
その時間をご一緒できましたら嬉しく思います。

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