カトウって何?①(宮沢賢治作 銀河鉄道の夜 のなかに出てくるカトウ)
みなさんいつもありがとうございます。つじあけみです。
「銀河鉄道の夜」読まれたことありますか?
私は朗読をするようになって、初めて読みました。
こんなおはなしを、子供のころに読んでたら想像力がもっと育っただろうなぁ、などと悔やんだりしますが、
でもきっと私にとっては良いタイミングだったのでしょう。
さて、このおはなしのクライマックスあたりに登場する「カトウ」という言葉があります。
今日は、その「カトウ」についての、ひとりごとです。
わたくし、この「カトウ」今まで人の名前だと思っていて、疑問を持っていなかったので、そのシーンの詳細をあまり深く考えずにいました。
「カトウ」が登場するのはこのシーンです。
河原のいちばん下流の方へ州のようになって出たところに人の集りがくっきりまっ黒に立っていました。ジョバンニはどんどんそっちへ走りました。するとジョバンニはいきなりさっきカムパネルラといっしょだったマルソに会いました。マルソがジョバンニに走り寄ってきました。
「ジョバンニ、カムパネルラが川へはいったよ。」
「どうして、いつ。」
「ザネリがね、舟の上から烏うりのあかりを水の流れる方へ押してやろうとしたんだ。そのとき舟がゆれたもんだから水へ落っこったろう。するとカムパネルラがすぐ飛びこんだんだ。そしてザネリを舟の方へ押してよこした。ザネリはカトウにつかまった。けれどもあとカムパネルラが見えないんだ。」
「みんな探してるんだろう。」
「ああすぐみんな来た。カムパネルラのお父さんも来た。けれども見附からないんだ。ザネリはうちへ連れられてった。」
ジョバンニはみんなの居るそっちの方へ行きました。そこに学生たち町の人たちに囲まれて青じろい尖ったあごをしたカムパネルラのお父さんが黒い服を着てまっすぐに立って右手に持った時計をじっと見つめていたのです。〜青空文庫より抜粋〜
先日、レッスンのときに
「この・・・カトウって、どんなアクセントでしょう?」
という質問がありました。
なんの疑いもなく「人間」だと思っていたので、
「ですよね〜カ/トウ だと、加藤くんみたいですよね〜」って言ったら
・・・・加藤?え?人ですか?
・・・・え?違うんでしょうか?
・・・・火燈 とか、火塔とか・・・船の何か部位のことかと?
・・・ほんとだ、確かに!(*゚∀゚*)
(前後の文脈からしても、たしかに、人だとなんかおかしい気がします・・・)
それから、他の方にお聞きしたところ、やはり
「人じゃないやろ、舟のどこか、つかめるとこやろ〜」という意見。
いやぁ〜・・・わたしほんとなんも考えてなかったわぁ〜(〃ω〃)
・・・・チーーン
こういうこと、多々ありますm(__)m
いこれにて一件落着^^
と思いきや!!
このあと「カトウ」のドラマが始まるのです。
それは、先日、こちらのコンサートに行ったときでした。
〜コンサートのレビュー〜
セロ弾きのゴーシュ、中原さんの朗読さすがでした!演技派の彼女はあらゆるキャラクターを声づかいで表現され、迫力ある朗読でした。
作曲構成もお話に合っていて、ピアノの方の演奏や、共演者の関さんのチェロの音色も胸に響きました。演者さんで解釈を合わされて舞台を創られているんだなと感じました。
私が思うキャラクター像とは違っていたこともあり、気付きや学びが多く、そういう視点でも観ることができてほんとに勉強になりました。
チェロの奏者の方の「賢治についてのおはなし、セロ弾きのゴーシュの考察」がすごく面白かったです!
そう・・・この舞台を観て気付かされたのです。
それはチェロ奏者の方の「賢治についてのおはなし、セロ弾きのゴーシュの考察」を語られているときでした。(②へ続く・・・)
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